循環型社会に向けての自主行動計画
・ポリラミ紙は環境にやさしい製品です。 ・ポリラミ紙は「循環的な利用」 即ち、リサイクルが可能で環境負荷の極めて少ない製品です。 ・ポリラミ紙は21世紀の循環型社会の主役になります。 ・ポリラミ紙は紙の特徴である親水性を補完するために作られた製品です。 |
諸特性を持つポリラミ紙は世の中に受け入れられ、包装用途を主に、年次毎に拡大し、我が国においては半世紀の歴史があり、社会に大きく貢献し、現在に至っております。私達には、先祖から引き継いできた環境を良好なまま将来の世代に確実に引き継いで行く責務があります。
21世紀は、これまでの「使い捨て」の社会から、大切な資源を上手に使う「循環型社会」の形成に取り組む世紀です。環境負荷の少ない製品が21世紀の循環型社会の主役になります。
しかしながら、ポリラミ紙は誤解されています。
ポリラミ紙は耐水、防湿性機能に優れたポリラミネート加工紙ですが、30年程前には古紙処理に使うと、最初の水使用工程でフイルムが分離し、それが撹拝装置出口のストレーナーに詰ってしまう為、装置の掃除を繰り返すので能率が下がり敬遠されていました。
また、そのために焼却に廻すと、ポリラミネート品という事で、焼却時に高熱量を発生せることから、かつては焼却炉を傷めやすいという認識をもたれていました。
ポリラミ紙はごみとして焼却することが歓迎されていない時期もありました。そのために、ポリラミ紙は使用後、処理しにくい加工製品として位置づけられた事もありました。
ごみ問題が社会的に大きくクローズアップされ、生活者の意識が高まり、更にダイオキシン問題が発生する事により、ダイオキシン発生(要因、塩素系)の抑制策等から、各焼却炉プラントメーカーも技術開発に努め、高熱量対応の焼却炉を開発じ、焼却場も設備更新が進展し、焼却時にダイオキシンを発生させない為にむしろ高熱量を要する事になってきています。
また、ポリラミ紙は処分の困難な製品として扱われ、現在では古紙原料として充分再生可能であるにも関わらず、昭和61年の禁忌品の分類と、当時の背景として、再生技術の欠如と再生処理設備の不備等により、リサイクルできない製品として誤解されてきました。
古紙処理設備メーカーは「異物は大きいうちに除去」の考えの基で、古紙処理設備の改良を進めてきました。
その結果、近年、古紙処理設備の技術向上及び設備更新により、プラスチックフィルム・ホットメルト樹脂・プラスチック紐・ガムテープ等の異物を効率的に除去する事ができるようになってきています。
ポリラミ紙は紙とポリが物理的に接着されている事により、紙とポリの接着力が頑強でない為に古紙処理設備内の水中で、撹拝・分散させると容易に紙とポリフイルムに分離します。
分離されたポリフイルムの形状で古紙処理設備内に残りますが、形状差を利用してスグノーニングし、古紙パルプから分離・分類されます。
近年の古紙処理設備ではポリラミ紙を容易に、紙とポリフイルムに分離できることから、良質の古紙パルプを再生することが可能になっています。
ポリラミ紙もこのような古紙処理設備を利用して各所でリサイクルされています。
今後、「循環型社会」の形成が社会的にますます高まってきますので、環境負荷の極めて少ないポリラミ紙の需要は今後も増大することが見込まれます。
私達はポリラミ紙を通じて社会的に貢献したいと考えています。
「VOC排出抑制自主行動計画」「3Rに関する自主行動計画」は順次発表してまいります。
(注)VOC【Volatile Organic Ccompounds (揮発性有機化合物)】とは、揮発性を有し、大気中で気体状となる有機化合物の総称であり、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様な物質が含まれます。
ラミネート工業会では平成15年にポリラミ紙は循環型社会の主役と位置づけた「ポリラミ紙は誤解されています」と題する広報パンフレットを作成いたしました。その内容を掲載いたします。
(注)ポリラミ紙とは紙の弱点である耐水、防湿をカバーするため紙の表面に例えばポリエチレンなどをラミネート加工したものを言います。
クラフト紙に加工した包装用紙、牛乳パック、お茶・コーヒーなどのブリックタイプの飲料パックなどがその用途例です。